原子力バックエンド研究
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研究論文
閉鎖時の意思決定における地層処分モニタリングのあり方に関する検討
須山 泰宏田辺 博三江藤 次郎吉村 公孝
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2010 年 17 巻 2 号 p. 71-84

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抄録

 現在, 我が国では原子燃料サイクルの過程で発生する高レベル放射性廃棄物を, 数万年以上といった長期にわたり人間の生活環境から隔離するため, 地層処分が計画されている. この地層処分施設は, 操業安全性と閉鎖後安全性の両方を確保するように設計される必要があり, 閉鎖後安全性は施設が閉鎖された後に, モニタリングまたは制度的管理に依存することなく, 人工バリアおよび天然バリアによって提供されることとなる. しかしながら, 最近では閉鎖措置の一環で地下水モニタリング等も検討対象となり, さらに社会科学の観点からも閉鎖後のモニタリングに関する必要性が議論されつつある. このような状況を踏まえると, 高レベル放射性廃棄物処分の長期に亘る安全性の確保の観点から, モニタリングのあり方を検討することが重要となる.
 そこで, 本論では処分事業において重要と考えられる閉鎖時の意思決定の段階に着目し, まず, 閉鎖時の意思決定の考え方を整理したうえで, 閉鎖時の意思決定におけるモニタリングのあり方 (モニタリングの役割, モニタリング実施時の制約条件, および具体的なモニタリング計画の検討方法) について考察を試みた. このあり方は, 今後サイト調査から最終閉鎖後の各段階を対象に一貫性を持ったモニタリング計画の検討と, 社会との合意形成に向けたモニタリングに関する議論の起点になるものであると考えている.

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© 2010 社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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