原子力バックエンド研究
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Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
研究論文
堆積岩分布地域における地形変化のモデル化に関する研究
~房総半島における検討
花谷 育雄宗像 雅広木村 英雄三箇 智二
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2011 年 18 巻 1 号 p. 3-24

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抄録
 高レベル放射性廃棄物の地層処分においては, その長期的な安全性を確保する上で, 地下水流動に伴う人間社会への核種移行を評価する必要がある. 本研究はその評価手法整備の一環として, 地形変化による長期的な地下水流動への影響を評価するために, 堆積岩分布地域である房総半島の4河川を対象として, 河床縦断形変遷のシミュレーションを実施し, 線的侵食プロセスを再現するとともに, 氷期~間氷期の1サイクル分に相当する12.5万年間の侵食量を求めた.
 その結果, 4河川ともほぼ類似したパラメータを使用して河床縦断形の再現ができた. また, 房総半島では地質が比較的軟らかいため従順化しやすく, 隆起速度に見合った河床縦断形に変化することがわかった. 地域的には, 内湾に注ぐ河川と外洋に注ぐ河川とでは異なる地形変化を生じ, 前者では期間を通じて河床高度があまり変わらず, 海域は広範囲にわたって凹型の縦断形が現れるのに対し, 後者では海水準変動の影響が大きく, 期間中に河床高度が20~30m変化するとともに, 現在の水深が30m以深の海域に凸型の縦断形が現れることが明らかになった. さらに, 12.5万年間の侵食量は, 内湾河川では河口付近で20~50m, 上流域で250~300m, 外洋河川の場合は, 全域で150~250mという値が得られた. これらの結果から, 長期的な地下水流動の評価においては, 地形および地質環境の変化を考慮することが重要であると言える.
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© 2011 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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