抄録
原子力発電所から発生する低レベル放射性廃棄物のうち、固体状の廃棄物は、気体、液体系の廃棄フィル夕、取り換え消耗器材、定期点検、改良工事に伴う各種廃材、消耗資材等からなり、その材質、構造、形態、放射性汚染条件等が広範にわたるので、一義的に定義することが難しい。これを埋設処分するためには、その発生実態、廃棄物の物理化学的特性をよく把握して、合理的に廃棄体を製作する技術の確立が必要である。ここでは、保管廃棄物の代表性を考慮した実廃棄物サンプリング調査、その分別確認試験と代表的模擬廃棄物の設定、埋設規則技術基準への適用、合理的な廃棄体形態の考え方、実大模擬廃棄体試作による製作方法の確証試験、廃棄体の非破壊放射能測定法の適用性について体系的に調査研究を実施したので、その概要を紹介する。