原子力バックエンド研究
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ISSN-L : 1343-4446
研究論文
使用済み制御棒の減容処理に伴う内包物B4C粉体の拡散防止技術の開発
舘村 誠遠藤 智尋板垣 昌利黒澤 良樹山井 英樹米谷 豊増田 稔
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2019 年 26 巻 1 号 p. 36-44

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抄録

 使用済み制御棒は中深度処分の対象として埋設処分を計画している.制御棒は長さ約4 mに対し,中深度処分容器は1辺1.6 m立方体の大きさであるため,使用済み制御棒の減容には切断処理が必要となる.一方,使用済み制御棒を短冊に切断するとその内包物であるB4C粉体が水中へ拡散し,汚染の拡大とその2次処理負担の増加が生じる.さらにその対策に有効な切断技術が確立されていない.そこで内包物の拡散防止を目的にプレスと水中プラズマ溶断を組み合わせた切断技術を提案し検討してきた.本研究では実際の制御棒と同じ垂直姿勢で水中切断実験を行い,水中に拡散したB4C粉体量の分析を行い,その拡散防止の効果を評価した.その結果,短冊片に浸入する水分量は,制御棒1体当たり52.8 mgと乾燥処理に影響しない大きさであった.短冊片に切断したときに水中へ拡散したB4C粉体量は,制御棒1体当たり3.6 gで,制御棒1体から水中に拡散するB4C粉体の割合は0.05 %と僅かで,本手法はB4C粉体の拡散防止に効果があることが確認できた.

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© 2019 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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