2019 年 26 巻 1 号 p. 45-55
日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターでは,国民のみなさまの地層処分技術に関する研究開発および地層処分の理解を深めることを目的に,ゆめ地創館および地下研究施設を活用してリスク・コミュニケーションを実施してきた.本稿では,2013~2017年度,これらの施設の見学後に実施しているアンケート調査の結果を分析した.その結果は,理解度が深まると,長期の安全性についてはより不安な要素としてクローズアップされていることを示唆している.また,地下研究施設を見学している回答者の方々が,見学していない回答者の方々と比較して,地層処分の必要性,適切性,安全性をポジティブに評価していることなどから,本施設の見学が,地層処分の理解にとって貴重な体験になっていることが示唆される.