原子力バックエンド研究
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総説
地球表層環境のヨウ素129研究の現状と考察:地質環境長期安定性評価に向けて
三ツ口 丈裕岡部 宣章國分(齋藤) 陽子松崎 浩之
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2024 年 31 巻 2 号 p. 96-110

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抄録

 高レベル放射性廃棄物の地層処分においては,その処分システムが持つべき隔離機能が数万年間は自然現象で損なわれる恐れのないサイト選定をすることが前提であるとともに,サイト固有の地質環境やその長期的変化を見込んだ上で合理的な処分システムを構築する必要がある.近年,日本国の地質環境の長期安定性を評価する目的で,本邦の地下流体(深部地下水,温泉水,油田や天然ガス田に付随する鹹水など)の元素・同位体組成の研究が進められており,ヨウ素およびその放射性同位体であるヨウ素129(129I:半減期1,570万年)もその研究対象に含まれている.本総説では,地球表層の様々な天然物質のヨウ素含有量およびヨウ素129/127同位体比(129I/127I比)に関する知見,試料の前処理・測定法,日本国内の地下流体の129I/127I比データについて概説し,さらに,そのデータの解釈・問題点および不確実性,そして地質環境長期安定性評価に向けた示唆について述べる.

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© 2024 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
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