原子力バックエンド研究
Online ISSN : 2186-7135
Print ISSN : 1884-7579
ISSN-L : 1343-4446
技術報告
高レベル放射性廃棄物処分の事業化技術
-その8 処分施設のバリア性能評価手法と安全評価-
五十嵐 敏文塚本 政樹藤原 啓植田 浩義池田 孝夫齋藤 茂幸
著者情報
ジャーナル フリー

1999 年 5 巻 2 号 p. 169-197

詳細
抄録

  高レベル放射性廃棄物の地層処分に際する性能評価・安全評価のためには,放射性核種がガラス固化体から溶出し,人間が被ばくするまでの経路において,想定される種々のシナリオを網羅し,それぞれに対して被ばく線量を計算する必要がある.FEP,PIDを用いて地下水シナリオを中心として検討した結果,地下水シナリオは基本シナリオと変動シナリオに大別され,さらに変動シナリオは隆起・侵食シナリオ,沈降シナリオ,間氷期継続シナリオ,氷期継続シナリオ,地温勾配大シナリオに分類された.それぞれのシナリオに基づき,堆積岩地域と花崗岩地域を対象として性能評価・安全評価を行った結果,堆積岩地域の方が間隙率が大きく,また分配係数も大きな値であったため,相対的に堆積岩地域で被ばく線量値が小さくなること,変動シナリオの中で隆起・侵食シナリオが最も高い線量値を示すことが明らかになった.

著者関連情報
© 1999 一般社団法人日本原子力学会 バックエンド部会
前の記事
feedback
Top