使用済燃料発電所敷地外貯蔵に関し,キャスク貯蔵とプール貯蔵技術の経済性評価を行った.経済性の指標は,使用済燃料を貯蔵施設へ搬入した時点で貯蔵料金を払うという前提で算定する実質価格表示の均等化コスト(貯蔵単価)とし、使用済燃料の貯蔵期間は40年として試算した.
プール貯蔵に対し,キャスク貯蔵は貯蔵容量が小さい場合でも大きい場合でも経済的に優位であることが示されたが,プール貯蔵の場合,貯蔵容量が約10,000トンの場合には,貯蔵単価はキャスク貯蔵のそれに近づくことがわかった.また, 貯蔵単価をもとに,燃料の燃焼度などを用いて貯蔵費用が発電原価に占めるコストを求めた.貯蔵容量が5,000トンU,燃料冷却期間が5年の場合,貯蔵単価は各々9銭/kWh, 15銭/kWh程度となった.