2018 年 10 巻 2 号 p. 25-30
本研究では,粉砕した玄米を主体とした自給飼料の給与が林内放牧豚の産肉性に及ぼす影響について検討した.2013年5〜12月にかけて鹿児島大学農学部附属演習林唐湊林園で放牧試験を行った.18週齢の去勢バークシャー種8頭(平均体重28kg)を市販配合飼料(TDN77〜78%,CP14〜15%)を給与した対照区と発酵させた自給飼料(2mm以下の破砕玄米60%,クズ芋20%および米ヌカ20%で配合:TDN69%,CP8%)を給与した試験区に分け,電気柵で囲った各10aの林地に4頭ずつ放牧した.両区とも日本飼養標準のTDN要求量を満たす計画で飼料給与を行い,行動,増体,飼料利用性および枝肉成績について調査した.放牧したブタの休息や飼料採食時間は対照区に比べて,試験区で短く(P<0.05),ルーティングに費やす時間が多かった(P<0.05).対照区では37週齢で体重が109kgに達し,飼料要求率は4.6であった.一方,試験区では46週齢で目標出荷体重に達し,体重が98kg,飼料要求率は8.4であった.両区の枝肉重量や歩留まりに差がなく,ロース芯厚およびバラ厚は対照区に比べ,試験区で低い値を示した(P<0.05).以上より,粉砕玄米を含む自給飼料を林内放牧豚に給与した場合,肥育前期における米の嗜好性やCP不足が問題として挙げられるものの,肥育後期では発育や飼料利用性に差がなく,粉砕玄米給与による林内放牧養豚の可能性が示唆された.