草質堆肥と培養土(GOF区),牛ふん堆肥(CMC区),化成肥料(CF区)を施用して,年2作,17年間キャベツ栽培した試験区のメタン(CH4)および一酸化二窒素(N2O)フラックスと土壌理化学性の調査,さらにメタンモノオキシゲナーゼ遺伝子(pmoA)とアンモニアモノオキシゲナーゼ遺伝子(amoA)の多様性および分子系統解析を行った.GOF区のCH4吸収量は有意に多く,土壌の仮比重や孔隙率と相関が認められた.GOFおよびCMC区のpmoAはMethylocaldum属およびMethylocystis属と,CF区ではMethylocystis属と近縁だったが,CMCおよびCF区には非培養法で検出された遺伝子にも近縁なものがあった.GOF区では土壌中へのCH4の拡散が増え,MOB群集が発達した可能性が考えられた.N2O排出量は試験区間で有意差は認められなかったが,施肥N量に対するN2O排出量の割合はGOF区が最少で,GOF区とCF区に有意差が認められた.アンモニア酸化細菌のamoAは,GOFおよびCMC区はNitrospira属やNitrosomonas属と近縁だったが,CF区の多くは非培養法で検出された遺伝子と近縁だった.アンモニア酸化古細菌のamoAは,各試験区とも多くが非培養法で検出された遺伝子と近縁だったが,GOFおよびCMC区とCF区では遺伝的に遠かった.GOF区の施肥N量に対するN2O排出量の割合が最少だったことには,これらアンモニア酸化に関する微生物性の差異が影響していたことが示唆された.