有機農業研究
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【特集】第25回大会 全体セッション
「改正」食料・農業・農村基本法と日本の有機農業:国際動向から考える課題と展望
関根 佳恵
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2025 年 17 巻 1 号 p. 11-19

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抄録

欧米が農業の環境負荷を削減する新政策を示したことを受けて,日本はみどりの食料システム戦略を策定し,「改正」食料・農業・農村基本法(以下,「改正」基本法)を施行した.国際動向に照らし,日本の有機農業にとって一連の新政策にはどのような課題があるだろうか.また,どのように今後の有機農業を展望できるだろうか.本稿は,一連の新政策を分析して有機農業の位置づけと課題を示し,欧米や国連の農政や議論の動向を参照し,日本への示唆を得ることを課題とする.本稿は,各国・地域の法制度と文献のレビュー,日欧米の農政関係者へのインタビューに基づいている.結論として,日本の一連の政策が農業近代化・新自由主義路線を継承していること,「改正」基本法には有機農業への言及がなく,地域政策の抜本的な見直しもなかったこと,政策間の整合性に課題があること,および「改正」基本法が国の安全保障政策の一環として位置づけられていることを指摘し,地域社会の持続的な発展をともなう有機農業の拡大は困難との見方を示す.展望として,欧米や国連が提唱するアグロエコロジー推進,小規模・家族農業支援,農村政策と有機農業推進の一体化,社会保障と農政の連携,地方自治による民主的な食料システムへの転換,貿易自由化の見直し,および隠れた費用の見える化等による市場経済システムの転換に学ぶことを提案する.これにより,日本でも食を商品ではなく権利やコモンとして再定義できるだろう.

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