2025 年 17 巻 1 号 p. 46-51
本研究では,水田での球体ロボットの除草効果に関する基礎的知見を得ることを目的とし,小面積の水田で小型球体ロボットを稼働させ,生物的除草法の1つと知られるアイガモ農法との比較からその除草能力を評価した.試験は2024年6月〜同年8月にかけて300m2の水田で行われた.田植え後7日目に7日齢のアイガモ雛3羽を放飼したアイガモ区(110m2)と直径25cmの球体ロボット2台を稼働させたロボット区(70m2)を設けた.供試した水田には,コナギの発芽が多くみられた.処理1回目(田植え後7〜20日目)では,球体ロボットの稼働により田面水が濁るとともに,水面に多数のコナギが浮き上がる様子が観察された.排水口で回収されたコナギの本数は,アイガモ区に比べてロボット区で多い傾向がみられた.しかしながら,処理2回目(田植え後43〜57日目)では,水稲の生育が進んだことで球体ロボットの動作が阻害され,田面水の濁りがほとんどみられず,除去される雑草の数も減少した.試験終了時(8/21)の雑草発生については,両区ともプロテクトケージ内側に比べて外側で有意に少なく(P<0.05),ロボット区では,アイガモ同様に除草効果が認められた.なお,両区で欠株の発生は認められなかった.
以上より,球体ロボットは水稲生育初期に顕著な除草効果を示すことが明らかになった.