山梨県の甲府盆地で夏秋キュウリを有機栽培する際に,生育ステージがキュウリと適合するニガウリを次の 2 通りの方法で混作することで上物収量や上物率が向上した.①キュウリとニガウリを同一畦内で 6株ごとに交互混作すると,混作しない場合と比べて,キュウリ 1 株当りの上物収量は約 7%,上物率は約 6%高くなった.②ニガウリをキュウリ畦に対して垂直に障壁として混作(1 畦,1 条植え)すると,混作しない場合と比べて上物収量は約 10%,上物率は約 11%高くなった.一方,ニガウリをキュウリ畦の両端に 1株ずつ混作した場合は,キュウリの上物収量は,混作しない場合と比べてやや高くなったが差は認められずニガウリの栽植株数が少ないと上物収量に対する混作の効果が現れにくくなった.また,ニガウリを交互混作することで,キュウリの葉の炭疽病被害軽減,ウリハムシによる葉の食害軽減が図られ,ニガウリを障壁利用することで,アブラムシ類の葉への寄生軽減が図られた.しかし,ニガウリとの混作によりキュウリの上物収量や上物率が向上したのは,病害虫の被害軽減効果よりも,混作作物によりキュウリが風害などから保護され,傷果や曲がり果が減少したことによる影響が大きいと考えられた.