日本臨床皮膚科医会雑誌
Online ISSN : 1882-272X
Print ISSN : 1349-7758
ISSN-L : 1349-7758
一般演題4 感染症など
ツツガムシ病の2例 (男児と妊婦)
竹之下 秀雄小松 貴紀圓谷 隆山内 隆治
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 24 巻 4 号 p. 310-313

詳細
抄録

(1) 11歳、男児。初診時、37℃台の発熱、躯幹に散在する小指頭大までの淡い紅斑と左膝窩の刺し口のため、ツツガムシ病を疑い、ミノサイクリンの全身投与 (120mg/day) を開始したところ、頭痛を含め全身症状がすみやかに改善した。ツツガムシ病抗体価は、初診の11日後にはIgMがGilliam法で有意に上昇し、本例をツツガムシ病と診断した。
(2) 30歳、女性。妊娠11週5日。初診時 (第8病日)、発熱、顔面と躯幹の淡い紅斑、左側腹部の刺し口などの臨床症状、肝機能障害、CRP上昇などの検査所見からツツガムシ病を強く疑った。妊娠初期であれば塩酸ミノサイクリンを投与しても胎児に流産や奇形などの障害はほとんどない旨を文献的に確認し、初診日より同剤200mg/日の全身投与 (2週間) を開始したところ、すみやかに軽快し、妊娠40週1日目に無事女児を出産した。ツツガムシ病抗体価は、初診時のIgM (Gilliam法) が320倍と高値で診断が確定した。出産時のIgM抗体価は、母体血で消失し臍帯血で存在しないため、Orientia tsutsugamushiの胎盤感染の有無は不明であった。小児と妊婦のツツガムシ病が少ないのは、ツツガムシに吸着される機会が少ないからと考えられている。(オンラインのみ掲載)

著者関連情報
© 2007 日本臨床皮膚科医会
前の記事 次の記事
feedback
Top