日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和に対する ペンレスⓇテープ18 mg(リドカインテープ剤)の有効性と 安全性に対する検討(小児特定使用成績調査)
日野 治子馬場 直子宇野澤 宣司徳田 祥一河原田 裕二中村 圭吾可児 毅
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2015 年 32 巻 2 号 p. 202-218

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抄録

目的:リドカイン18 mgを含有したテープ製剤であるペンレスⓇテープ18 mg(以下,本剤)の「伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和」に関する有効性および安全性について,小児特定使用成績調査を実施し,検討した. 結果:2013年1月から2014年1月までに86施設から593例が登録され,500例で安全性について評価を行った.発症年齢は3~5歳が最も多く,4歳未満の症例は40.2%であった.痛みの程度の評価である「摘除に対する身体的反応がない」は全体の53.9%であり,「摘除に対する身体的反応がわずかにある」は37.1%,「摘除に対する身体的反応がある」は8.5%であった.今回の調査で認められた副作用は,貼付部位での紅斑4例,接触皮膚炎2例の局所的かつ可逆性の非重篤例であり,発現率は1.20%であった.また,本剤の麻酔作用に起因すると考えられる副作用は500例中1例も認められなかった.本剤の効果に関して,医師の満足度は「高い(極めて有用)」が68.2%,「まあまあ高い(有用)」が25.8%であり,本剤の効果に関して,非常に有用性が高いと判断できた. 結論:今回の調査により,ぺンレスⓇテープ18 mgの「伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和」に関する4歳未満を含めた小児における有効性と安全性が確認された.

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