日本臨床皮膚科医会雑誌
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論文
ステロイド外用剤が有効であったジューリング疱疹状皮膚炎の1例
飛田 泰斗史田蒔 舞子武市 幸子浦野 芳夫宇都宮 正裕
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2016 年 33 巻 3 号 p. 394-396

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抄録
 46歳男.初診3年前より顔面,四肢に皮疹が出没していた.瘙痒はあまり強くなかった.右前腕の紅斑の辺縁に小水疱が散在していた.組織学的に真皮乳頭部に好中球性微小膿瘍を蛍光抗体直接法にて真皮乳頭部にIgAの顆粒状の沈着を認めた.以上より,ジューリング疱疹状皮膚炎と診断した.治療はステロイド外用剤のみで軽快した.本症の軽症例では,ステロイド外用剤のみで軽快する例もあるが,その多くは慢性の経過をとる.本症例でも今後,DDSの投与が必要かもしれない.慢性再発性に経過する紅斑で,小水疱を認めた時には,ジューリング疱疹状皮膚炎も鑑別に挙げる必要がある.
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