抄録
76歳,男.当科初診3ヶ月前より左頬部に20 mm大,右鼻根部に10 mm大の自覚症状のない浸潤性紅斑が出現した.皮疹を主訴に近医皮膚科を受診,プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル(リドメックス®)を外用したが改善しないため,精査目的に当科を紹介受診した.左頬部の淡紅色局面より皮膚生検を施行した.病理組織学的所見では真皮浅層から深層にかけてびまん性にクロマチンに富んだ腫瘍病変がみられ,免疫組織学的所見ではCD20(+),CD79a(+),Bcl-2(+),CD5(-),CD10(-),Bcl-6(-)であり,遺伝子再構成は陰性であった.臨床像,病理および免疫組織学的所見より粘膜関連リンパ組織節外性辺縁帯リンパ腫(Extranodal marginal zone lymphoma of mucosa-associated lymphoid tissue:以下,MALTリンパ腫)と診断した.骨髄に異型細胞はなく,全身検索で顔面皮膚以外に病変がみられなかったため,皮膚原発と考えた.文献的考察を加えて報告する.