日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
原著
医療・介護関連肺炎における入院後早期の死亡と血清N 末端プロ脳性ナトリウム利尿ペプチド(NT-proBNP)値との関係
河崎 雄司原田 智也武田 賢一山崎 章
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 49 巻 5 号 p. 169-173

詳細
抄録

 血清NT-proBNP が医療・介護関連肺炎の予後の予測因子であるかどうかは明らかではない.医療・介護関連肺炎における入院後早期の死亡と血清NT-proBNP 値との関係を調べた.方法として,医療・介護関連肺炎で入院し,入院後30 日以内に死亡した死亡群14 名と生存群101名を対象にPerformance Status, 肺炎の重症度分類(A-DROP),血清アルブミン値, 血清NTproBNP値等を群間比較した.死亡群では生存群に比較して血清アルブミンは低値,血清NTproBNPが高値であった.心不全のバイオマーカーである血清NT-proBNP が死亡群で高値であったことから医療・介護関連肺炎での入院後早期の死亡には心不全の関与が考えられた.

 血清NT-proBNP 値は医療・介護関連肺炎の入院後早期の予後を考える上で参考になる指標と考えられた.

著者関連情報
© 2019 日本臨床生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top