日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
総説
機能性ディスペプシアと十二指腸粘膜バリア機能障害
小森 圭司伊原 栄吉後藤 和人康 東天小川 佳宏
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 50 巻 1 号 p. 7-13

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抄録

機能性ディスペプシア(Functional dyspepsia; FD)は,慢性的に上腹部愁訴を呈するものの,症状を説明する器質的疾患を認めない疾患である.病因においては未だ確定的なものはなく,各種報告では胃や十二指腸に原因があるとするもの,また心理的影響や脳に原因があるとするものと様々であり,いわゆる脳腸相関の重要性も報告されている.その中でも,十二指腸を中心とした病態の解明が進みつつある.我々は内視鏡下に直接的に十二指腸の粘膜バリア機能を測定し,FD 患者では粘膜バリア機能の低下が認められる知見を得た.十二指腸粘膜バリア機能の破綻がFD の病因の一つと考えられる.

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