日本臨床生理学会雑誌
Online ISSN : 2435-1695
Print ISSN : 0286-7052
総説
循環器疾患と腸内細菌
山下 智也
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 52 巻 3 号 p. 113-119

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抄録

 腸内細菌が,あたかも臓器連関の中での一臓器のように宿主の生体機能の維持から,疾患の発症にまで関与していることが明らかになってきた.臨床医学の中では,疾患の発症予測への利用や菌とその代謝物が治療標的として注目され,各種疾患患者の糞便を用いた腸内細菌叢の調査研究が行われている.著者らは,循環器疾患と腸内細菌叢の臨床研究を実施し,そのエビデンスを基盤にして,新たな腸内細菌への介入方法を探索する基礎研究も進めている.著者らのデータも含めて,循環器領域での腸内細菌研究の現状を紹介し,この分野の将来展望を述べたい.

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© 2022 日本臨床生理学会
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