2022 年 52 巻 3 号 p. 129-135
【背景,目的】重症管理後のCOVID-19 肺炎患者に対し,呼吸状態に合わせた介入を実施し自宅復帰に至った2 症例について報告する.
【症例紹介】症例1:58 歳男性,人工呼吸,ECMO 管理後26 病日に当院転院.介入初期は呼吸苦で離床に難渋も多職種での退院支援を実施し,62 病日にHOT 導入しADL 自立で自宅退院.退院時身体機能は健常者比で膝伸展筋力63%,握力46%,6 分間歩行距離65%と低値であった.症例2:51 歳男性,High flow nasal cannula oxygen 管理後26 病日に当院転院.労作時低酸素血症と息切れが著明であったが50 病日にHOT 導入し自宅退院.退院時身体機能は膝伸展筋力47%,片脚立位時間15%,6 分間歩行距離64%と低値であった.
【まとめ】2 症例ともにADL は自立し退院となったが,呼吸機能に加え著明な身体機能低下が残存していた.重症COVID-19 肺炎患者には,入院期に加え退院後の長期的な支援が重要であると考えられた.