運動器理学療法学
Online ISSN : 2436-8075
症例報告
肩甲⾻アライメントの修正により症状が改善した尺側⼿根伸筋腱鞘炎の⼀症例
稲垣 郁哉柴 伸昌
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2022 年 1 巻 p. 1-5

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抄録

【⽬的】尺側⼿根伸筋(以下,ECU)腱鞘炎を有する症例に対して,肩関節外旋制限に着⽬した介⼊により症状が改善した⼀例について報告する。【症例】対象は70 代⼥性である。診断名は左三⾓線維軟⾻複合体損傷および左ECU 腱鞘炎である。初期および最終評価において疼痛評価,DASH スコア,ROM 測定,姿勢評価を実施した。左肩関節外旋制限と左肩甲⾻挙上位を呈したアライメント不良を認めたので,左肩関節外旋可動域を改善させるために肩甲⾻挙上位の修正を⽬的に介⼊したところ,各評価項⽬が改善した。【結論】肩甲⾻挙上位を呈しているアライメントの修正は,上腕⼆頭筋⻑頭腱の伸張を軽減させ,肩関節外旋可動域の改善につながり,ECU 腱鞘炎に対するストレスの軽減に有⽤であると考えられた。

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© 2022 日本運動器理学療法学会
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