運動器理学療法学
Online ISSN : 2436-8075
1 巻
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症例報告
  • 稲垣 郁哉, 柴 伸昌
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 1 巻 p. 1-5
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/18
    ジャーナル フリー

    【⽬的】尺側⼿根伸筋(以下,ECU)腱鞘炎を有する症例に対して,肩関節外旋制限に着⽬した介⼊により症状が改善した⼀例について報告する。【症例】対象は70 代⼥性である。診断名は左三⾓線維軟⾻複合体損傷および左ECU 腱鞘炎である。初期および最終評価において疼痛評価,DASH スコア,ROM 測定,姿勢評価を実施した。左肩関節外旋制限と左肩甲⾻挙上位を呈したアライメント不良を認めたので,左肩関節外旋可動域を改善させるために肩甲⾻挙上位の修正を⽬的に介⼊したところ,各評価項⽬が改善した。【結論】肩甲⾻挙上位を呈しているアライメントの修正は,上腕⼆頭筋⻑頭腱の伸張を軽減させ,肩関節外旋可動域の改善につながり,ECU 腱鞘炎に対するストレスの軽減に有⽤であると考えられた。

  • 河原 常郎, 川⼝ 真, 磯⽥ ⼀将, 稲葉 佑, ⼩出 恵也, ⼭本 ⼀樹, 飯⽥ 修平, ⾦ 成道
    原稿種別: 症例報告
    2022 年 1 巻 p. 6-14
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/18
    ジャーナル フリー

    【⽬的】“吹き流し変形”と称する両側変形性膝関節症の症例に対し,保存療法にて有益な結果を得たのでここに報告する。【症例】症例は左膝が内反,右膝が外反変形を呈す両側変形性膝関節症の70 代⼥性であった。 著者らは,治療開始より3 ヵ⽉間の運動療法とADL 指導の実施後,近年,変形性膝関節症患者にも治療効果の期待されている多⾎⼩板⾎漿(platelet-rich plasma:PRP)療法を併⽤し,治療を⾏った。治療のアウトカムとして,従来の理学療法評価に加え,患者⽴脚型評価であるKnee injury and Osteoarthritis Outcome Score(以下,KOOS)を採⽤した。⾝体機能,動作能⼒ともに向上を⽰した。KOOS でも改善を認め,それに基づくOMERACT-OARSI のResponder 基準でも効果ありと⽰された。【結論】本症例報告を通して得られた知⾒は,今後,変形性膝関節症に対する効果的な運動療法を展開するための⼀つの⼿段としての可能性を⽰唆する。

研究論文(原著)
  • 福⽥ 敦美, 対⾺ 栄輝
    原稿種別: 研究論⽂(原著)
    2022 年 1 巻 p. 15-23
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/03/18
    ジャーナル フリー

    【⽬的】⾼齢者への6 ヵ⽉間の背部筋強化エクササイズ介⼊が,1 年後の姿勢アライメント,背部筋⼒,⾝体パフォーマンス,健康関連QOL に影響するか,コントロール(全⾝運動)群の変化と異なるかを確認した。 【⽅法】姿勢アライメント(“usual”と“best”姿勢の脊柱弯曲⾓度,頭部位置,膝屈曲⾓度),背部筋⼒,5 回⽴ち上がりテスト(SS-5),⽚脚⽴位保持時間,5 m 最⼤歩⾏速度,⽇本版physical performance test(以下,JPPT),SF-8 を評価し,全対象者,適切に介⼊を終えた対象者に分け,時期間と群間の差を⽐べた。【結果】適切に介⼊を終えた対象者でも“usual”姿勢の腰椎弯曲⾓が増加し,頭部が前⽅化した。背部筋⼒とSS-5は低下し, 5 m 最⼤歩⾏速度とJPPT は維持された。いずれも群間差はなかった。【結論】背部筋強化エクササイズが,1 年後の姿勢アライメントに影響を与えるとはいえない。

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