【目的】本研究は，軽度中枢性感作関連症状（Central Sensitization-related Symptoms：以下，CSSs）を有する膝OA患者の身体的・心理的特徴を明らかにすることを目的とした。【方法】膝OA患者40名を対象に，CSI-9，疼痛の強度，膝関節可動域，膝関節伸展筋力，5 m歩行テスト，TUG，患者立脚型QOL指標，抑うつ・不安，運動恐怖感および破局的思考を評価した。CSI-9の結果からno CSSs群とmild CSSs群の2群に分類し，対応のないt検定およびχ二乗検定を用いて比較した。【結果】no CSSs群と比較してmild CSSs群は，5 m歩行時間，TUG，QOL，抑うつ，不安および破局的思考が有意に不良な値であった。【結論】軽度CSSsを有する膝OA患者は，CSSsのない者と比較し，身体機能および患者立脚型QOL指標，抑うつ，不安および破局的思考が不良であることが示された。
