2024 年 4 巻 1 号 p. 36-42
【目的】鏡視下腱板修復術後患者においてCRPS(Complex Regional Pain Syndrome)様症状の発症に関与する術前因子を明らかにすること。【方法】対象は腱板修復術患者312例とした。術前に疼痛,可動域,JOAスコア,短縮版Central Sensitization Inventory(CSI-9)の評価を実施し,性別,年齢を加えた項目と術後CRPS様症状発症の有無について検討した。【結果】CRPS様症状の発症因子として術前のCSI-9(オッズ比:1.18,95%信頼区間:1.12-1.25,p < 0.01)が抽出され,CSI-9スコアは13点がカットオフ値(感度81.3%,特異度59.0%,曲線下面積0.751)であった。【結論】術前のCSI-9が13点以上の場合は術後のCRPS様症状の発症を予測できる可能性が示唆された。