2024 年 4 巻 1 号 p. 52-59
【目的】本研究の目的は,人工膝関節全置換術(TKA)後における階段昇降練習開始の是非を判断するための片脚スクワットテスト(SLST)の有用性を検討することである。【方法】対象は当院でTKAを受けた100例とし,術後3ヵ月時に階段昇降テスト(SCT)とSLSTを行わせた。SLST不能とSCT不能を陽性としたクロス集計表を作成して検討した。【結果】SCT可能例は85例(85.0%),そのうちSLST可能が79例,不能が6例,SCT不能例のうち,SLST可能が5例,不能が10例であり,感度0.67,特異度0.93であった。 【結論】SLSTは壁があればどこでも簡便かつ安全に階段昇降に必要な大腿四頭筋の求心性・遠心性収縮機能を評価することが可能であり,階段昇降練習開始の是非に有用と考えられた。