2024 年 4 巻 1 号 p. 43-51
【目的】鏡視下上方関節包再建術後における術後移植腱断裂の割合と術前要因を調査すること。【方法】調査項目は基本情報(性別,年齢,身長,体重,体格指数),術前画像評価としてGoutallier分類,肩峰骨頭間距離,濱田分類,疼痛評価として安静時痛,動作時痛,肩関節機能評価として肩関節可動域,Shoulder36,術後移植腱断裂の有無を調査した。移植腱断裂の有無を従属変数,その他の調査項目を独立変数とし,単変量ロジスティック回帰分析を行った後,関連性を認めた項目において多重ロジスティック回帰分析を行った。【結果】術後移植腱断裂の割合は54例中11例で20%であった。単変量ロジスティック回帰分析の結果,肩甲下筋と小円筋の脂肪浸潤で関連性を認め,多重ロジスティック回帰分析において小円筋の脂肪浸潤のみ関連性を認めた。【結論】術後移植腱断裂の術前要因として小円筋の脂肪浸潤が関連する可能性がある。