2025 年 4 巻 2 号 p. 93-100
【目的】本邦運動器理学療法の症例報告における報告の完全性について,CAse REport guidelines(以下,CARE声明)を用いて調査すること。【方法】2019年に掲載された本邦理学療法に関する症例報告を対象とした。対象を運動器分野とそれ以外に分け,CARE声明の項目毎にチェックリストを準拠した文献の割合を算出し,比較した。統計解析にはFisher’s exact testを使用した(有意水準5%)。【結果】256件の対象のうち,運動器分野は111件(43.4%)であった。このうち,「項目7 本症例のケアに関する,過去から現在までの情報をタイムラインとして整理」と「項目10d 有害事象や予期せぬ事象」,「項目11a 本症例に関連する強みと限界」の準拠割合は,半数未満であり,他の分野よりも統計学的有意に低かった。【結論】運動器理学療法の症例報告は,特に「タイムライン」と「フォローアップとアウトカム」,「考察」に関する情報が欠如していることが明らかとなった。