2025 年 4 巻 2 号 p. 77-84
【目的】人工膝関節全置換術術後理学療法は,時間軸に沿って離床するTime Based Protocol(TB)が一般的であるが,各個人の特異性が反映されにくい。そこで,退院後の目標などを考慮したCriteria Based Protocol(CB)を作成し,術後のアウトカムに差が生じるかを検証した。【方法】対象はTB群25例,CB群34例とした。TBは時間軸で離床し,CBはStageを段階的に達成することとした。測定項目は在院日数,Knee Society Scoring Systemの下位項目である満足度,活動性,Timed Up and Go test(TUG)とし,術前および術後12週時点での群間および群内の差を調査した。さらに各アウトカムに影響する因子として重回帰分析を用いて検証した。【結果】在院日数はCB群が有意に低値を示した。CB群は術前と比較して術後12週で全項目が改善した。TB群では満足度と活動性が術後12週で改善したが,TUGに変化はなかった。術後12週の群間差はなかった。重回帰分析の結果,いずれのアウトカムもCBが有意な変数として選択された。【結論】CBにより在院日数は短縮され,さらには術後のアウトカムにも影響する可能性がある。