運動器理学療法学
Online ISSN : 2436-8075
手術療法後の変形性股関節症女性患者に対する歩行異常性観察評価項目の構成概念妥当性の検討
冨岡 真光原田 和宏山科 俊輔宇治村 信明
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論文ID: 202422

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抄録

【目的】股関節症の術後における観察可能な歩行異常性評価項目の確立に向け,COSMINの方法論を基に探索的因子分析,仮説検証を実施した。【方法】対象は術後女性患者21名の歩行動画とした。探索的因子分析は観察評価者3名の代表値から分析した。仮説検証は10MWT,TUG,6MWTと観察評価項目の合計点に対し相関関係を検証した。【結果】因子分析による第1因子には立脚中期の体幹傾斜角,骨盤傾斜角,股関節内転角および左右の立脚時間差が,第2因子には踵接地時の足関節角,踵離地時の股関節伸展角が属した。歩行異常性評価項目の合計点の高値に,10MWT,TUGが遅い結果を示した。【結論】因子として抽出された観察項目は構造的妥当性および仮説検証による基準を満たした。股関節症の術後における正常歩行からの逸脱に関して,観察により姿勢不良の有無や重症度を簡便にスコア化できることが示唆された。

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© 日本運動器理学療法学会
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