論文ID: 202430
【目的】人工膝関節全置換術(TKA)後1年におけるKnee Injury and Osteoarthritis Outcome Score(KOOS)の4尺度すべてのPatient acceptable symptom state(PASS)達成に影響する術前因子を検討すること。【方法】2020年10月から2023年2月にPS-TKAを施行した95例を対象とした。TKA後1年時に調査したKOOSの4尺度(Symptom, Pain, ADL, QOL)すべてのPASSを達成した群と達成できなかった群に分類した。両群間で有意差が認められた項目を独立変数としてロジスティック回帰分析を行い,KOOSのPASS達成可否に影響する術前因子を検討した。【結果】4尺度すべてのPASSを達成した割合は54%であった。回帰分析の結果,術前の屈曲時痛(p=0.033)とPain Catastrophizing Scale(PCS)(p=0.023)がPASS達成に影響する因子として選択された。【結論】TKA後1年におけるKOOSのPASS達成を予測する因子として,術前の屈曲時痛とPCSが有用である可能性が示された。