2008 年 50 巻 10 号 p. 637-643
日本は最近10年間で驚くほど産業構造が変革した。物質社会から知識社会へと移行し,知的財産立国が政策の大きな柱となった。知財の制度改革は急進的に進み,企業も行政も大学も研究者も知財マインドへと変革した。知財をめぐる評価,経営戦略などでも急進的に進化してきた。個人,研究者の創造意欲を引き出す政策が重要になってきており,知財は第2世代へと着実に進展している。これからの企業に求められるのは,社外に創作成果を求めるオープンイノベーションであり,国際化への展開もその一つである。日本はいま大きな曲がり角に立っている。