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研究者のアウトリーチ活動としてのセルフアーカイビング
轟 眞市
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2012 年 55 巻 2 号 p. 79-86

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抄録

研究成果著作物のセルフアーカイビングが,専門分野を越えて幅広い読者を対象とするアウトリーチ活動として機能した例を紹介する。所属機関のリポジトリで公開した2つの英文原著論文の著者最終稿のダウンロード数が,出版してから3年経つにも関わらず,それに続く3年間で約1,500に達した。どちらも掲載雑誌を購読していない読者からのものと考えられ,研究従事者に広く興味を引きやすい内容を有していたことや,実験ビデオ映像をYouTubeで公開して文献に誘導したことが功を奏したと思われる。機関リポジトリの登録文書数を研究者の協力を得て拡大しようとするならば,研究者に登録文書への反響を知る楽しみを認識してもらった上で,自発的にセルフアーカイビングしたくなる環境を構築するのが早道であろう。そのためには,登録した文書に対するアクセス統計が欲しいときにすぐ見られるサービスが求められる。

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© Japan Science and Technology Agency 2012
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