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55 巻, 2 号
選択された号の論文の13件中1~13を表示しています
  • 轟 眞市
    2012 年 55 巻 2 号 p. 79-86
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/01
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    研究成果著作物のセルフアーカイビングが,専門分野を越えて幅広い読者を対象とするアウトリーチ活動として機能した例を紹介する。所属機関のリポジトリで公開した2つの英文原著論文の著者最終稿のダウンロード数が,出版してから3年経つにも関わらず,それに続く3年間で約1,500に達した。どちらも掲載雑誌を購読していない読者からのものと考えられ,研究従事者に広く興味を引きやすい内容を有していたことや,実験ビデオ映像をYouTubeで公開して文献に誘導したことが功を奏したと思われる。機関リポジトリの登録文書数を研究者の協力を得て拡大しようとするならば,研究者に登録文書への反響を知る楽しみを認識してもらった上で,自発的にセルフアーカイビングしたくなる環境を構築するのが早道であろう。そのためには,登録した文書に対するアクセス統計が欲しいときにすぐ見られるサービスが求められる。
  • 橋本 勝美
    2012 年 55 巻 2 号 p. 87-96
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/01
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    この20年のWeb基盤技術の進歩により,研究者は研究に必要な文献情報を容易に得ることができるようになった。同時に,研究成果発表のプレッシャーを背負う研究者による科学研究の不正が顕在化している。研究成果を公表する学術ジャーナルでは,重複出版や剽窃・盗用を未然に防ぐ対応が求められ,剽窃検知ツールCrossCheckの利用が広まってきている。日本疫学会はJ-STAGE利用学会として,CrossCheck導入の検討ワークショップに参加した。CrossCheck導入の際に必要となる検討事項やCrossCheck利用の結果と対応案について日本疫学会誌Journal of Epidemiologyの事例を報告する。また,CrossCheckの利用によって明らかになった自己剽窃などの課題についても紹介する。
  • 吉本 龍司
    2012 年 55 巻 2 号 p. 97-105
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/01
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    図書館蔵書検索サイト「カーリル」は,無料で利用できるWebサービスである。全国の図書館が,Web-OPACにより提供する書籍の所蔵情報を,横断的に抽出し,整理・統合した上で,利便性の高いユーザーインターフェースにより利用者に提供している。カーリルは,楽しい本との出会いを提供し,図書館に足を運ぶきっかけをつくることをコンセプトに開発が進められた。サービス開始時は,主に公共図書館の利用者を対象としたサービスであったが,現在では,大学図書館や専門図書館への対応も進んでいる。本稿では,サービス立ち上げから開発に携わり,現在,エンジニアとしてカーリルの開発マネージャーを担当する筆者の立場から,カーリルの基本的な機能やコンセプト,サービス提供開始以降の進化と,今後の展開について紹介する。
  • 佐藤 竜一, 久保田 壮一, 青山 幸太, 土屋 江里, 宮川 謹至
    2012 年 55 巻 2 号 p. 106-114
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/05/01
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    科学技術振興機構(JST)が運用する電子ジャーナルサイト「J-STAGE」は,運用開始から13年が経過し,海外の有力電子ジャーナルサイト等と比較すると,ユーザーインタフェースや機能面を中心にその陳腐化が否めない状況であった。JSTではユーザビリティーの向上,国際発信力のさらなる強化を目的として,新システム「J-STAGE3」を開発し,(1)過去分の公開サイトであるJournal@rchiveの統合,(2)デザイン/ユーザーインタフェースの一新,(3)データベース形式のXML国際標準形式への移行,(4)購読・販売管理機能の強化,(5)学協会運用工数の削減および (6)投稿審査システムの改善を実現する。一方で,2010年度末に国内学協会誌の電子化状況について調査した結果,国内学協会誌の電子化率は全体で62%であったが,人文社会系は34%と依然遅れている。また,言語別で見ると欧文誌92%に対して和文誌は55%という結果になり,さらなる電子化の推進が必要な状況にあることが判明した。このような状況を踏まえ,新システムJ-STAGE3の機能と方向性,国内学協会誌の電子化促進における役割について触れる。
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