2014 年 57 巻 2 号 p. 90-98
インターネット上のサービス利用ならびにコミュニケーションにおいて,利用者のアイデンティティは「特定」および「識別」という軸で分類することができる。デジタルデータが,ある個人に紐(ひも)付けられ,蓄積される現在において,個人情報の保護とともにプライバシーに対する考慮が求められる。本稿では,名乗りとID,データの蓄積という観点から,利用者のアイデンティティとプライバシーについて解説し,コミュニケーションにおける自分と他者の情報の取り扱いの難しさや,死後のデータの取り扱いに関しても今後の課題として提示した。