日本では改正個人情報保護法が2015年に成立し2017年5月に施行された。データ主体の同意なしに流通できる匿名加工情報が導入されたが,どのような匿名化処理を施すべきか検討が続いている。EUでは全体の統一的なパーソナルデータ保護規則「一般データ保護規則」が成立し,2018年からの施行に向け,これに適合するプライバシー保護の方策が模索されている。本稿では,プライバシー保護技術を保護対象となる個人が,(1)質問者である場合に (a)質問者が誰であるか,および (b)質問内容自体,を検索エンジン側から秘匿する方法,(2)データベースに個人データが格納されているデータ主体の個人に関して識別を防ぐ場合に分けて,代表的なプライバシー保護技術を概観する。