情報管理
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編集後記
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2017 年 60 巻 9 号 p. 688

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編集後記

学術系クラウドファンディングacademistを「情報管理」で取り上げたのは2015年1月のことでした。2014年4月にリリースされたacademistは,「深海生物テヅルモヅルの分類学的研究」と「太陽フレアの機構と宇宙天気予報の研究」の2プロジェクトが目標額を達成したところでした。あれから3年。Webサイトを見ると,プロジェクトの8割近くは目標額を達成し,すでに40を超えるプロジェクトが資金を獲得しています。

今号「集会報告」の「科学コミュニケーション研究会 年次大会」は,学術系クラウドファンディングがテーマです。研究会で今後の課題が議論されるのはそれだけ日本に定着してきたということではないでしょうか。このほかに,国際人工知能学会(IJCAI)と,屋内測位と屋内ナビゲーションに関する国際会議(IPIN)の集会報告を掲載しました。

「チームサイエンスの科学(SciTS: Science of Team Science)」という学際的研究分野を遅ればせながら知りました。多分野の研究者がチームを組んで研究するにあたっては個人研究とは異なる課題があります。10月29日の研究イノベーション学会では,SciTSの日本推進を考えるハテナソン(質問するワークショップ)が行われたとのこと。今後の集会報告で情報共有したいと考えています。

「21世紀型スキル」という言葉にも出会いました。21世紀型スキルの学びと評価のATC21s(Assessment and Teaching of 21st Century Skills)プロジェクトは,4領域10スキルを定義しています。「働くためのツール」領域では「情報リテラシー」「ICTリテラシー」を,「働く方法」領域では「コミュニケーション」「コラボレーション(チームワーク)」をスキルとして掲げています。

9月号の「博士人材の研究公正力(1)」に「移転可能スキル(transferable skills)」が出てきました。移転可能スキル,すなわちアカデミアのみならず社会で広く活躍する人材育成のためのスキルは,21世紀型スキルに通じると感じました。学びの場における方法論の検討が必要とされています。(KM)

次号予定

  • ●   博士人材の研究公正力(3):博士の意識と博士教育
  • ●   自動車を取り巻くIoTセキュリティーとその課題:自動運転,車車間,路車間のV2Xに関するセキュリティーを中心に
  • ●   プライバシー保護の技術:質問者の保護から個人情報秘匿技術まで
  • ●   JPCOARスキーマの策定:日本の学術成果の円滑な国際的流通を目指して
  • ●   連載:「情報」とはなにか 第8回 情報×時事問題 時事問題へのアプローチと情報利用の心得

編集委員会

  • <委員長>小賀坂康志(科学技術振興機構)
  • <編集委員> 江草由佳(国立教育政策研究所)・岡安渉子(富士通㈱)・小河邦雄(大正製薬㈱)・清田陽司(㈱LIFULL)・山下正隆(旭化成㈱)
  • 住本研一・青山幸太・木村美実子・佐藤恵子・嶋田一義・坪井彩子・中村拓・火口正芳・福島俊一・森亮樹・山崎美和・余頃祐介(以上 科学技術振興機構)

編集事務局

  • 木村美実子(事務局長)・酒井加代子・大井喜久子・
  • 関根佳美(以上 科学技術振興機構)

版下作成・印刷

  • 昭和情報プロセス株式会社

発行

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
  • 〒102-8666 東京都千代田区四番町5番地3
  • 「情報管理」編集事務局
  • Tel. 03(5214)8406 Fax. 03(5214)8460
  • E-mail: joho-kan@jst.go.jp
  • http://jipsti.jst.go.jp/johokanri/

 
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