Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
原著
Web-based nomogram を用いた乳房温存手術における断端陽性率の検討
大田 浩司伊藤 朋子中林 伸之
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 2 巻 3 号 p. 64-70

詳細
抄録

乳房温存手術における断端予測 nomogram の有用性について検証した。2010年1月から2013年12月のT1, 2乳癌138例を対象とした。Groningen 大学の web-based nomogram を用いて予測陽性率を後ろ向きに解析し, 断端陽性群と陰性群間で比較した。さらに, 予測陽性率が低いケースでは術中迅速断端検査を省略できる可能性があるため, 最適なカットオフ値をROC解析にて求めた。年齢の中央値は59.5歳であり, 腫瘍径の中央値は14.5mm, 術中迅速断端検査の陽性率は15.9%であった。断端陽性群, 陰性群の予測陽性率の中央値はそれぞれ23.0%, 7.0%であり, 両群間に有意差を認めた。最適カットオフ値は14.0%であり, 138例中14%未満は96例 (69.6%) であった。この96例中, 実際に断端陽性であった症例は3例のみであった。これらのデータを基に前向きな臨床試験を計画したい。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
次の記事
feedback
Top