歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
正常ラット唾液腺の酸性ホスファターゼについて
多和 敏一奥井 伊佐子松田 弘村川 明横田 豊阿部 公生
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 16 巻 1 号 p. 22-31

詳細
抄録
体重120g前後の健康呑竜ラット (♀) の顎下腺, 舌下腺, および耳下腺組織中の酸性ホスファターゼ (EC. 3, 1, 3, 2) について, 細胞内分布特性, および酵素学的特性を比較観察した。
分別遠沈法で分画した各種唾液腺の細胞質上清液, および顆粒画分中にはラット肝, 血球, その他組織と同等の酸性ホスファターゼ活性が出現する。
細胞質成分中の活性はDEAEーセルロースカラムクロマト, あるいはセルロゲル電泳法により, 特有のパターンに分画されるが, 基質特異性や阻害剤の効果などから, 細胞質溶性画分の活性がすべて穎粒画分由来と断定できない。また, 同画分中の酵素は溶性酵素として存在するために化学的修飾を受けている可能性を示した。
著者関連情報
© 歯科基礎医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top