1977 年 19 巻 4 号 p. 561-564
無菌動物では唾液腺のコレステロール代謝に変化があらわれると報告したが, 抗生物質投与マウスの場合には, いかなる変化をきたすかを調べた。
マウスを抗生物質飼料 (2%サルファチアゾール, および0.4%オキシテトラサイクリン加) で14日間飼育し, コレステロール生合成および糞への中性ステロールおよび胆汁酸の排泄を放射能を利用して測定した。
抗生物質投与により, 舌下腺, 耳下腺, および顎下腺のコレステロール生合成は増加し, 肝コレステロール生合成は減少し, 総コレステロール値は舌下腺, 耳下腺, 顎下腺および肝で増加した。また糞への総コレステロール, および総胆汁酸の排泄は減少した。
以上のことから唾液腺の総コレステロール値の増加は主としてコレステロール生合成の増加と, 一部コレステロールの体内蓄積も関与するとおもわれる。