歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
ツパイの歯の形態学的研究
酒井 琢朗花村 肇戸田 喜之
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1979 年 21 巻 1 号 p. 182-192

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抄録

Tupaiaglisの各歯について観察した。1) 上顎大臼歯の歯冠形態は基本的に双波歯型を呈し, 9種類の咬頭が存在する。一般にparaconeの発達は良好であるが, metaconeは第3大臼歯でかなり退化する。2) 3個のstylar cuspsと2個のbuccal cuspsは第1, 第2大臼歯で良く発達しているが, 第3大臼歯では遠心にある咬頭が退化ないし消失している。第3, 第4小臼歯にもparastyleとmetastyleが出現する。3) protoconeは上顎大臼歯, 第4小臼歯で良く発達し, 第3小臼歯では分化不充分である。4) hypoconeはprotocone cingulumの舌側を取り巻いているcingulumから作られ第1大臼歯で良く発達している。5) 下顎大臼歯はtrigonidとtalonidから構成され, それぞれ3個の咬頭を持つ。6) 下顎第4, 第3小臼歯もtrigonidとtalonidから構成されるが, talonidには1個の咬頭が出現するのみである。第3小臼歯のtrigonidは分化不充分である。7) 上・下顎第2小臼歯および前歯は単錐歯である。第1・第2切歯は歯櫛を作る。

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