歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
各種カルチトニンのプロスタグランディンによる下顎骨吸収に対する抑制効果について
平田 博則岡本 莫土肥 敏博西川 殷維辻本 明
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1979 年 21 巻 1 号 p. 177-181

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抄録

著者らは歯周病発症におけるプロスタグランディン (PGs) に関する研究の一環として顎骨からのCa遊離に対するPGsの作用について実験を重ねている。今回PGE2による骨吸収に対するウナギ, サケ, ブタのカルチトニン (夫々 [Asu1.7] ECT, SCT, PCT) の作用についてとくにその生物学的活性を調べるため予め45CaCl2で標識したラット胎児培養下顎骨からの45Ca遊離を示標として比較検討した。併せて副甲状腺ホルモン (PTH) 作用に対するこれらCTの拮抗強度も調べた。
[Asu1.7] ECTは0.01-1MRCU/mlの濃度でPGE2による45Ca遊離を29-98%抑制した。またPTHによる45Ca遊離を0.01-1MRCU/mlの [Asu1.7] ECTは25-86%抑制した。PGE2, PTHに対する3種のCTの拮抗強度はMRCUの比較で [Asu1.7] ECTとSCTはほぼ同程度でPCTは僅かに弱かった。

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