歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
モルモットのオトガイ神経麻酔における数種の局麻剤の深麻酔時間と全麻酔時間に及ぼすエピネフリンの効果
村井 繁夫中本 義勝伊藤 忠信
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1980 年 22 巻 2 号 p. 284-288

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抄録
局所麻酔効果を麻酔深度として表示できるモルモットのオトガイ神経麻酔法を用いて, 三種類の局麻剤の麻酔持続時間 (全麻酔時間) と深麻酔時間に及ぼすエピネフリン (Epi) の効果について検討した。深麻酔時間は400%以上の麻酔深度を維持する時間とした。5万~40万倍の範囲の種々の濃度のEpiを含む2%リドカイン, 2%プロカインおよび2%メビバカイン溶液において, 深麻酔時間の長さは全麻酔時間の長さと正の相関を示し, 全麻酔時間の約30~50%(深麻酔時間率) の範囲にあった。5万倍Epi添加2%プロカイン溶液の値を除いて, 各種局麻溶液の深麻酔時間率は, Epi濃度が変化しても大きな変動を示さなかった。以上の結果より, 全麻酔時間および深麻酔時間は両者とも添加されるEpiの濃度に依存して変化するが, 両者の比である深麻酔時間率の値は, Epi濃度の変化によりほとんど影響されないことが示された。
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