歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Streptococcus mutans細胞外タンパク質Escheriohia coliクローンpYA 721のサブクローニング
安孫子 宜光斉藤 秀夫池田 晴安坂下 孝則
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1983 年 25 巻 1 号 p. 136-142

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抄録

Streptococcus mutans6715株 (serotype g) の染色体DNAを大腸菌にcosmid pJC74を用いて, λin vitro packaging法により遺伝子組換えを行い, Streptococcus mutansの細胞タンパク質をコードする45.1-kilobaseのクローンplasmid pYA721を作成することに成功している。pYA721は2分子のpJC74と8.5, 3.2 kilobasesの染色体由来DNAから構成されている。pYA721からのサブクローンpYA724は1分子のpJC74と8.5-kilobaseフラグメントから成り, 細胞外タンパク質をコードしている。pYA724を制限酵素BamHIで切断し, T4DNAリガーゼで再結合させたキメラplasmidを大腸菌K-12, BH101株に形質転換を行い, ampicillin耐性クローンを得た。得られたクローンplasmidを制限酵素BamHIとEcoRIにより, 切断パターンを分析したところ, EcoRI切断によりpYA724と異なる切断パターンであることが判明した。また, クローンのperiplasmic space画分を作成し, 細胞外タンパク質抗体を用いて免疫拡散プレートで分析したところ, 細胞外タンパク質を合成することが明らかとなった。これらのことから, 新しく作成したクローンは8.5-kilobaseフラグメントがpJC74中にpYA724と反対方向で挿入されているクローンであり, コードタンパク質を合成することから, 8.5-kilobase中には独自のプロモーター領域が存在し, 大腸菌の転写系により機能的に使用されることが示唆された。

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