1983 年 25 巻 4 号 p. 1050-1056
骨組織が培養マクロファージによって溶解することは近年報告されているが, 骨組織溶解の機作に関しては明確でない。そこで本研究においては, 骨組織中のアパタイトからのCa溶出を培養培地中のCa濃度の増加を測定する方法を用い, マクロファージによる骨組織中のアパタイトの溶解性におよぼすグルコース濃度の影響を検討した。培養培地中のグルコース濃度をより高くすると, 同一細胞数の実験条件下でもCa遊離の増加をもたらした。故に, マクロフアージのアパタイト溶解性はグルコース濃度によって影響されると考えられる。またマクロフィージから産生された乳酸の増加は, アパタイトからのCa遊離の原因になると思われる