歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
舌粘膜上皮の分離培養
第1報 培養細胞の超微形態
立川 哲彦秋田 智雄吉木 周作
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1983 年 25 巻 4 号 p. 875-893

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抄録

新生児ラット舌粘膜上皮の分離培養を行ない, 上皮の増殖形態・分化形態・ケラトビアリンの形成などを検索した。また, freeze fracture法を用い, gap jaunctionとdesmosomeの密度や面積を経時的に検索し以下の結果を得た。
細胞のdoubling timeは約30時間であつた。継代培養は第8代の継代まで行ない, それらの形態は初代培養と何ら変化を認めなかった。細胞増殖と共に細胞は重層化し, 微細構造は発達し, tonofilamentの集束, ケラトヒアリン顆粒の出現などを認めた。また, 基底部の細胞とプラスチック・シャーレとの間にはamorphousな物質を認め, 同部の細胞側にはhemi-desmosomeを認めた。Replicaでは細胞の発育・分化と共にgap junctionとdesmosomeの密度・面積の増加を認めた。

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