歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
細胞レベルに於ける生体材料の検索
第4報: 自動血球計数装置を用いて, 細胞数算定のための基礎的検討
兼松 宣武永原 国央藤本 和久柴田 寛一
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1983 年 25 巻 4 号 p. 910-914

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抄録

細胞浮遊液中の細胞数を, 自動血球計数装置を用いて, 正確に算定するために, a) 細胞分散処理にともなう細胞障害の有無, b) 自動血球計数装置を用いての細胞算定数と視算値との比較検討の2項目について検索した。結果は, i) 酵素処理による細胞分散法が, Rubber Policemanを用いておこなった機械的分散法よりも, 細胞への障害は少なく, 細胞生存率が高かった。なお, 各酵素間では, その生存率に顕著な差はみられず, ほぼ90~100%の生存率が得られた。ii) 従来の自動血球計数装置 (東亜医用電子製, CC-110型) を用いての細胞算定数は, 視算値と比較して, その算定数が多い傾向にあった。しかしながら, 細胞浮遊液中の細胞の粒度分布の解析および細胞数算定の際の閾値の検討をおこない, これらにもとづいて, 自動血球計数装置の電気回路を一部変更した結果, 自動血球計数装置による算定細胞数と視算値とは, 近似値を示し, 本装置を用いて, 血球以外の細胞浮遊液中の細胞の算定が可能であることが判明した。

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