日本視能訓練士協会誌
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一般講演
パネル法を用いてトーリック眼内レンズの軸合わせを行った手術成績
小野 晶嗣蕪 龍大竹下 哲二
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2012 年 41 巻 p. 195-199

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抄録

【目的】術中にトーリック眼内レンズの軸合わせを簡便に行える分度器付きパネルを考案し、2011年の日本眼科手術学会で報告した。このパネルを用いて軸合わせを行った手術成績を報告する。
【対象及び方法】2010年6月から2011年7月の間にトーリック眼内レンズ(Acrysof® IQ Toric:SN6AT3-5)を挿入し、パネル法で乱視軸を合わせた54例78眼(61~88歳:平均76.1±6.1歳)。術前に座位で細隙灯顕微鏡に取り付けたカメラによる前眼部撮影を行い、虹彩紋理や色素などの目印を見つける。パソコン画面上でこの画像に分度器画像を張り付け、目印からレンズの軸までの角度を計算しておく。術中、顕微鏡映像のモニタにパネルをかぶせ、作成した分度器を取り付けて目印からの角度を測り、パネルに線を引く。術者はレンズ挿入後、この線とレンズのマーカーを重ねて乱視軸合わせを行う。術前、術後1週間、1カ月、3カ月の裸眼・矯正視力、自覚・他覚乱視を測定した。
【結果】平均裸眼視力は術前0.43、術後3カ月0.84、平均矯正視力は術前0.71、術後3カ月1.10だった。平均他覚乱視は術前1.79±0.83D、術後3カ月0.90±0.51D、平均自覚乱視は術前1.31±0.88D、術後3カ月0.55±0.47Dだった。予定軸との軸ずれは6.22±6.10°だった(n=46)。
【結論】パネル法により、他施設の報告と同等の裸眼視力および乱視軽減効果が得られた。

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© 2012 日本視能訓練士協会
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