日本視能訓練士協会誌
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一般講演
Goldmann視野計テクニカルチェックシートを用いた動的視野検査の技術指導法
小林 昭子
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2012 年 41 巻 p. 221-227

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抄録

【目的】Goldmann視野検査の実技指導用にGPテクニカルチェックシート(以下シートとする)を作成した。問題解決型学習(以下学習とする)前後に施行した視野検査をシートで評価する実技教育指導法を検討した。
【対象と方法】学生視能訓練士(以下学生とする)10名、臨床経験3年の視能訓練士3名を対象とした。指導者は3名であった。対象者間で視野測定し、到達度を指導者がシートに評価した。未到達の項目については問題の想起と解決をグループ討議で行い、視野を再測定後再度シートで到達度を確認した。シートでの到達度の変化から指導法を検討した。
【結果】38項目の内、学生の到達可能な項目数は学習前が平均19.9±標準偏差3.5(平均52%)、後が22.6±4.0(59%)、視能訓練士は前が36.3±1.2(96%)、後が38(100%)であった。到達度の向上が10%以上向上は3/10名、10%未満は5/10名、低下は2/10名であった。「鼻側は正常範囲の外側から動かす」は学生10名全員が到達できていたが、「下方は最大稼働域から動かす」は7/10名、「視標速度を一定にする」は6/10名が学習前後とも到達できなかった。
【結論】GP実習指導に不可欠な項目を列挙したシートを使用することで、指導者は指導内容が網羅できた。学習により検査手技の確認はできたが実測で技術がすべて身についていたとはいえず、指導を繰り返しての検討が必要と思われた。

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© 2012 日本視能訓練士協会
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