日本視能訓練士協会誌
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一般講演
弱視斜視外来を受診した高齢者症例の検討
伊藤 可奈子牧野 伸二保沢 こずえ近藤 玲子金井 美佳須藤 治子馬渡 剛
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2016 年 45 巻 p. 57-61

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抄録

【目的】自治医科大学弱視斜視外来を受診した高齢者症例を検討した。

【対象と方法】2010年から2014年の間に当科弱視斜視外来を受診した60歳以上の高齢者108例の臨床的特徴を検討した。平均年齢は70.9歳(60~91歳)、男性53例、女性55例であった。

【結果】受診動機は複視が72例、整容的改善が33例、眼精疲労2例、その他1例であった。63例で手術が施行され、外斜視が43例、内斜視が9例、上下回旋斜視が11例であった。術後、複視が残存した3例はやや不満足であったが、60例では整容的な満足および自覚症状の改善が得られた。手術を施行していない症例の12例でプリズム眼鏡の処方を行い、10例で症状の軽快が得られた。

【結論】高齢者に対する斜視手術は、非観血的治療とともに有用である。

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© 2016 公益社団法人 日本視能訓練士協会
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